「預金なら安心」って本当なの? 「元本保証」って、実際に何を保障してくれるの? 実は、現金にもリスクが潜んでいるのです。本連載ではそんな「現金のリスク」を切り口に、お金のほんとうの価値を守るための資産運用について考えていきます。今回のテーマは「株式ファンドの選び方」。アクティブファンドとパッシブファンド(インデックス運用)の特徴について見ていきます。
積立投資に向く「株式100%のファンド」を選ぶには?
さて、筆者はこれまで、積立投資を推してきました。その一方で、まとまった現金をお持ちの方にとっては、積立投資は時間の無駄に……という点も理解しております(連載第21回参照)。ですので、投資をされる方の現金の使い道やご年齢など、一律に「コレがベストです」と押し付けているつもりはございません。
ところで、積立投資に向くのはどのようなファンド(投資信託)かというと、連載第20回にて「基準価額の変動の幅が大きなファンド」と申し上げております。
「基準価額の変動の幅が大きなファンド」を少しだけ具体的に申し上げますと、「株式100%のファンド」ということになろうかと思われます。
では、「株式100%のファンド」をどのように選べばよいのでしょうか? 今回は、ファンドの選び方に関する話題を綴ってみたいと思います。もちろん、筆者の視点ですから、ご覧いただいてどのようなご感想を持たれるのか、皆さん、それぞれですので……。
アナタは肉食系? それとも草食系?
「肉食系か? 草食系か?」というと、「今さら、古い質問ね」と言われてしまいそうですが。
これは筆者が講師を務めるセミナーにて、よく筆者が用いるセリフです。
肉食系とは、ずばり「アクティブファンド」をイメージしています。ですので、草食系は「パッシブファンド」のイメージですね。
と申しますのも、英語のアクティブは「積極的」と訳され、パッシブは「消極的」と訳されるからです。
ではこの「アクティブファンド」「パッシブファンド」とは、いったいどういう性質を持つ投資信託なのでしょうか?
筆者の手元にある、2020年の最新版のファイナンシャルプランナーの教科書によると、アクティブファンドは「ベンチマークを上回る投資成果を目指す投資信託」と説明されています。
そして、パッシブファンドは「日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)といった、ベンチマークに連動するように設計された投資信託」と書かれています。
パッシブは「インデックス運用」とも言います。インデックスとは、日経平均株価や東証株価指数のような市場の平均を表す指標のことです。ちなみにベンチマークとは、もともと測量の言葉で「水準点」や「基準点」という意味です。
が、教科書ではさらに「どのような銘柄選択を行っても恒常的に市場平均以上の運用成績を行うのは困難という効率的市場仮説に基づいている」と加えられています。
これは、「銘柄、つまり投資先の企業を選んだところで、市場平均以上の好成績を上げるのはムリですよ」ということでしょうか?
だとしたらまるで、「日経平均株価や東証株価指数みたいな、上場している株式全てに投資してしまうようなパッシブの方が効率的ですよ」と言わんばかりですね。
本当にそうでしょうか!