事例:「社員YouTuber」の動画で応募者7倍!

 それでは、実際に動画配信によって新卒応募者が激増した、三和交通株式会社の事例をお伝えする。

 三和交通株式会社は、新卒採用を行う際「誰も知らない会社に行きたいとは思わない。せめて名前だけでも知ってもらいたい」という思いから、「YouTube」や「TikTok」などでネット動画配信を始めたそうである。その結果、「応募者7倍増」という見事な成果をたたき出したという。

 同社の「社員YouTuber」が発信している動画コンテンツは、仕事とはまったく関係がないテーマのものばかりである。「難しい漢字問題」や「激辛早食い」、「おじさんのダンス」など、なんでもありだ。特に、短いネクタイを着けたワイシャツ姿のおじさんたちが、軽快なリズムに合わせて踊る全力笑顔ダンスはとてもコミカルで、見ている方も自然に笑みがこぼれてしまう。視聴した学生は、「こんな楽しい上司や同僚がいる職場なら、ぜひ働きたい」という思いで応募しているのではないだろうか。

【参考】
YouTubeチャンネル「三和交通」

まとめ

 若者が求人に応募してこない理由は、会社のことがよくわからなくて怖いからからだと推察される。そのため、会社の良いところを積極的に若者へ伝えることが重要だ。その伝達手段のひとつとして、「社員YouTuber」による動画配信を活用してみてはいかがだろうか。社内で起こる「楽しいこと」を、手持ちのスマホで撮影して、そのまま公開するだけも貴社の雰囲気やイメージを伝える効果はあるはずだ。若者の応募者を増やすには、まずは気楽な気持ちで始めてみること、そして続けることが大切だろう。

佐野浩之
ひと・しくみ研究所
社会保険労務士
採用・定着・教育に強い ひと・しくみ研究所
https://www.hitoshikumi.com/

著者プロフィール

HRプロ編集部

採用、教育・研修、労務、人事戦略などにおける人事トレンドを発信中。押さえておきたい基本知識から、最新ニュース、対談・インタビューやお役立ち情報・セミナーレポートまで、HRプロならではの視点と情報量でお届けします。