株式投資はジェットコースターではなく山登り
──初めて株式投資に挑戦する人は、銘柄をどのように選べばいいですか?
エミンさん まずは自分が知っている、好きな企業の株を買うといいと思います。日々の生活の中で気に入っている商品、お世話になっているサービスがたくさんあるでしょう。その中から、「ここを応援したい」と思う企業を選べばいいのです。まずはなじみのある企業の株を通じて、株の売買はどのようにするのか、株を持つというのはどういう感覚なのかを経験してみてください。
逆に、避けてほしいのは「いま上がっているから」「話題になっているから」といった動機でよく知らない企業の株を買うことです。最初から値動きの激しい銘柄に手を出して、理由もわからないまま損失が膨らんで大失敗、ということが往々にしてあります。せっかく株式投資の第一歩を踏み出すのですから、「株はギャンブルと同じ」などと誤解してほしくありません。
──まずは親しみのある企業の株に触れてみるということですね。有名な上場企業はたくさんありますので、どれを選ぶかを考えるのも楽しいです。
エミンさん そうですね。ファミレス、アパレル、自動車、銀行など、普段はあまり意識しないかもしれませんが、日々の生活の中で関わりのある上場企業は山ほどあります。「これいいね」と思う商品があれば、それを作っている会社を調べてみましょう。株を持てばもっと興味が湧いて調べるようになり、応援したい気持ちも膨らんでいくはずです。
これから日本株は全体的に上がっていくと見ていますので、リスクの高い銘柄に手を出したり、頻繁に売買を繰り返したりする必要はないのです。良い銘柄を選んで、長期で保有する。そうすれば、いい気分で株式市場と付き合っていけるでしょう。
──改めて、読者にメッセージをお願いします。
エミンさん 私は、株式投資はジェットコースターではなく山登りだと思っています。上がったり下がったりのスリルを楽しむより、その過程にある景色をゆっくり眺めながら資産が増えていく楽しみを感じてみてはいかがでしょうか。初めての人は、まずはハイキングから始めましょう。老後を迎えてからも投資生活をエンジョイできるよう、少しずつ投資の世界に慣れていってほしいと思います。