28日のロンドン市場は、ドル安に調整が入っている。ユーロドルは東京市場で1.4880レベルと1年4ヶ月ぶり高値水準をつけたが、ロンドン市場では上値が限定されて1.4800近辺へと水準を下げた。ポンドドルも同様に1.67台前半から1.66台半ばへと軟化している。クロス円もユーロ円121円割れ、ポンド円136円割れなど対ドル相場と同様に反落した。ドル円はロンドン序盤に81.50割れへと下押しする場面があったが、その後は81円台後半へとジリ高の動きとなっている。

日本時間28日未明に発表されたFOMCおよびバーナンキFRB議長の記者会見では低金利政策の継続、米成長見通しの引き下げ、が示されたことで市場にはドル安相場に安心感が広がっていた。東京市場序盤にドルインデックスは33ヶ月ぶりに73割れへと低下した。しかし、ロンドン市場ではFOMCのイベント通過、次の米GDP待ちで、これまでのドル安の流れにやや調整が入る形だった。ほぼ東京午前のドル安の動きは解消されている。欧州株は小幅の値動き。あすはロンドン市場がロイヤルウェディングで休場となる。やや取引手控え気分もあったようだ。

◆ドイツ失業者数、19年ぶり300万人割れ
ロンドン市場ではドイツの失業統計が話題だった。4月の失業率は7.1%と前回3月から横ばいだった。市場予想は7.0%を見込んでいたことからやや失望を誘う結果だった。しかし、失業者数は3.7万人減少して297万人となった。1992年6月以来、約19年ぶりに300万人の大台を割り込んでいる。今月14日にショイブレ独財務相によって発表されたドイツ政府経済見通しでは、失業者数は2011年は平均で300万人を下回る見込みとされており、4月という早い段階でこれを達成してきている。ドイツ経済の回復は予想以上に力強い印象を与えた。ただ、きょうは調整ムードが強く、ユーロ買いの反応はあまりみられていない。

(Klugシニアアナリスト 松木秀明)