やさしい株式投資のハナシ

 資産運用に興味があっても、初心者にとって株式投資のハードルは高いもの。本連載では、現役の証券アナリストが株式投資の魅力や付き合い方をやさしく伝えます。

長期投資or短期投資、よくある疑問だが正解はない

 今回は投資の時間軸のお話をしたいと思います。

 よくある株式投資にまつわる疑問として、「長期投資と短期投資はどちらが良い?」というものがあります。最初に結論をお伝えすると、これについては実は正解はありません。

 それぞれのメリット・デメリットについて考えていきたいと思います。

短期投資のメリット・デメリット

 短期投資は、まさに短期で株を売り買いし、値上がり益を狙う手法です。株を買ったその日に売る「デイトレード」や、数日〜2週間程度の期間で取引を行う「スイングトレード」などの手法があります。

 デイトレードの場合、取引を1日で手仕舞うため株の持ち越しリスクを負わない点がメリットとなります。例えば金曜日の取引終了後、土曜日に海外で大きなリスクイベントがあり、月曜日の株式市場が大幅安で始まったとしても株を持ち越していないので安心できます。

 ただし、取引1回あたりの利益は長期投資に比べると当然ながら少ないので、コツコツと利益を積み上げるスタイルです。相場時間中に取引できる人やじっくりと利益を積み上げられる方向きの手法といえるでしょう。

 スイングトレードは、デイトレードよりもやや時間軸の長い取引手法です。日中相場を見る時間を取ることが難しいサラリーマンなどの短期投資にも向いています。

 取引回数が多くなる短期投資では、資金を効率的に使える一方で、取引の手数料が長期投資よりかさむデメリットもあります。そのため、証券会社によっては一日定額制や一定回数までの取引を定額とする手数料プランもあるので活用をおすすめします。

短期投資のメリット・デメリット

メリット ・デイトレードは株の持ち越しリスクを負わない
・売買の頻度を高めることで資金を効率的に使える
デメリット ・取引1回あたりの利益は長期投資より少ない
・取引回数が多くなるので手数料がかさむ