少額短期保険

 保険には、病気やケガでの入院や死亡に備える生命保険と、物や住宅などの損害に備える損害保険があります。また、一定期間に小さな額で備えたい、という場合には「少額短期保険」と呼ばれる保険も活用できます。今回はそんな少額短期保険について解説します。

もしもの時にコンパクトに備える少額短期保険の特徴

 少額短期保険とは、その名の通り「少額」の保険金を受け取れる補償を「短期」の間、用意できる保険です。ミニ保険といった呼び方をすることもあります。

【図表1】少額短期保険の特徴

メリット デメリット
  • 短期間補償が必要な場合に対応できる
  • 補償額が小さいので、保険料を抑えることができる
  • ニッチなニーズに合った保険商品を探せる
  • 長期間や大きな保険金額の補償は選べない
  • 終身タイプの保険が無いので、契約更新時には保険料も上がることが多い
  • 保険料控除の対象外
  • 契約者保護機構の対象外
    (供託金の範囲内での補償はある)

ニッチなニーズにも割安に備えられる一方、大きな保険金額の補償は選べない

 少額短期保険には一生涯補償が続く終身タイプのものはなく、保険期間も1年または2年と短い期間に限られています。保険金額も種類ごとに上限が設定されており、死亡保険であれば300万円以下、医療保険であれば80万円以下、損害保険では1,000万円以下などと決められています。

 また、1契約者が契約できる保険金額の合計も1,000万円までとなっています。保険期間や保険金額が限定されているため、保険料は割安な傾向にあります。

 入院や死亡時に備える生命保険は生命保険会社が、物や住宅などへの損害に備える損害保険は損害保険会社が販売するのが通常です。少額短期保険会社の場合は、この両方の種類を販売できるため、それを活かして特徴的な商品が販売されることも多いようです。

保険金額が限定されている保険期間や保険金額が限定されているため、少額短期保険は保険料は割安な傾向

 加入する前に知っておきたい注意点もあります。生命保険会社や損害保険会社の場合、経営破たん時にも契約者保護機構により契約者は一定の保護を受けられます。一方で少額短期保険会社は契約者保護機構の対象ではなく、契約者保護は少額短期保険会社の用意した供託金の範囲内で行われます。

 また、通常は医療保険や死亡保険、地震保険で支払った保険料は所得税の控除対象となります。しかし少額短期保険の場合、支払った保険料は所得税の控除対象外です。