ロボット投資信託TOP10

 ロボットと聞いて、皆さんはどのようなイメージを思い浮かべますか? 二足歩行の人型ロボット、部屋の中を自在に動き回るお掃除ロボット、産業用のロボットアームなど、その姿はさまざまでしょう。近年のロボット産業はより実用的な方向へとシフトし、活躍の場を大きく広げています。センサーを通じてビッグデータを集め、人工知能(AI)で解析しながら効率的な作業を進めるなど、急速な進歩を見せているのです。本記事では、そんなロボット関連企業に投資する投資信託をランキング形式でまとめるとともに、運用成績や特徴を比較します。

ロボット関連企業に投資する投資信託の純資産残高ランキング

 2020年5月末現在、ファンド名に「ロボ」が含まれる投資信託は約20本あります。その中で、純資産残高の多い順に10ファンドを抽出したのが下記の図表です。

  ファンド名 純資産
(億円)
過去1年の騰落率 信託報酬
(税込)
運用会社
1 グローバル・ロボティクス株式ファンド(年2回決算型) 3245.21 18.71% 1.94% 日興アセットマネジメント
2 グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年決算型) 2856.40 18.92% 1.94% 日興アセットマネジメント
3 ロボット・テクノロジー関連株ファンド-ロボテック- 2345 21.4% 1.82% 大和アセットマネジメント
4 ジャパン・ロボティクス株式ファンド(1年決算型) 646.98 9.91% 1.71% 日興アセットマネジメント
5 グローバル・ロボティクス株式ファンド(為替ヘッジあり・1年決算型) 215.56 19.55% 1.94% 日興アセットマネジメント
6 ジャパン・ロボティクス株式ファンド(年2回決算型) 187.28 9.96% 1.71% 日興アセットマネジメント
7 グローバル・ロボティクス株式ファンド(為替ヘッジあり・年2回決算型) 186.20 19.19% 1.94% 日興アセットマネジメント
8 ロボット戦略 世界分散ファンド『愛称:資産の番人』 144.98 3.9% 2.21% T&Dアセットマネジメント
9 ロボット・テクノロジー関連株ファンド(年1回決算型)-ロボテック(年1回)- 128 21.4% 1.82% 大和アセットマネジメント
10 ロボット・テクノロジー関連株ファンド-ロボテック-(為替ヘッジあり) 125 21.4% 1.82% 大和アセットマネジメ ント

※投資先ファンドの信託報酬を含む実質的な負担
データは2020年5月29日時点。各運用会社の運用報告書をもとに編集部作成

純資産残高で選ぶなら:グローバル・ロボティクス株式ファンド

 2020年5月末時点で最も純資産残高が多いロボット関連の投資信託は、日興アセットマネジメントの『グローバル・ロボティクス株式ファンド』です。年2回決算型、1年決算型、為替ヘッジあり・1年決算型、為替ヘッジあり・年2回決算型の4タイプがあり、シリーズ累計の純資産残高は6500億円を超えています。純資産の大きさは投資家の支持の表れと考えることができ、日本を代表するアクティブファンドのひとつといえるでしょう。

 銘柄選定を行うのは、米国の資産運用会社であるラザード・アセット・マネージメント・エルエルシー。産業用やサービス用などのロボットを製作する企業に加え、ロボット関連技術である人工知能(AI)やセンサーなどの開発に携わる企業も投資対象とするのが特徴です。

 『グローバル・ロボティクス株式ファンド』について、筆者は日興アセットマネジメントの担当者に取材したことがあります。印象的だったのは、「ロボティクスは成長の確度が高い半面、どのタイミングで、どのような地域・産業で、どの企業の技術が世の中に出てくるのか、運用者の企業調査力が試される」という話です。同ファンドは大手企業の被買収者となった銘柄を組み入れていた実績もあり、企業経営のプロからも高く評価される銘柄を見いだしているといえます。

 振り返ってみると、2017年の取材時の『グローバル・ロボティクス株式ファンド(1年決算型)』基準価額は1万2000円くらいでした。それが2020年5月末現在は1万6000円を超えています。「不透明な市況の中でも、ロボティクスは明確な成長ストーリーを持つ」という話の通り、順調に成長を続けているようです。