「どの企業が先んじて開発できそうか」が関心事に

 ヘルスケア関連といえば、新型コロナウイルスの感染拡大にともない脚光を浴びている分野の一つでもあります。

 新型コロナウイルスに対する治療方法は、いまだ確立されていません。現在、世界各国の企業が懸命にワクチンや治療薬の開発に取り組んでいることは、連日のニュースでご存じの人も多いでしょう。

 開発した治療薬やワクチンの効果が認められれば莫大な収入が見込まれるため、「どの企業が先んじて開発に成功しそうなのか」は、投資家にとっても大きな関心事です。

 こうしたなか、注目を集めているのが英製薬大手アストラゼネカ社です。『健次』の組み入れ銘柄でもある同社は、英オックスフォード大学と共同でワクチンを開発しています。すでに10億回分の生産体制を整えているほか、うち4億回分については受注契約まで締結済みとのこと。3月の中旬から株価は急上昇しており、5月末現在も高値での推移が続いています。

 ほかにも、同じく『健次』の組み入れ銘柄である米アボットラボラトリーズ社は、新型肺炎の陽性判断を最短5分で確認できる検査機器を開発。2020年3月には米食品医薬品局から緊急使用許可を受けたと発表し、株価が大きく上昇しました。

医師や看護師が運用チームに参加

 こうした有望企業を発掘する上で欠かせないのが、医療や製薬に関する専門知識です。いくら投資や金融に詳しいファンドマネージャーでも、医学的な知見がなければヘルスケア関連企業の価値を正しく見極めることはできないでしょう。

 そこで『健次』の運用チームには、過去に臨床現場で活躍していた医師をはじめ、看護師資格の保有者や、製薬会社出身者などが参加しているそうです。ファンドマネージャー自身も内科および感染症の医師資格を保有しており、専門的な視点からの銘柄選定を実現しています。

 投資に関する知識もそうですが、医学の知識となればなおのこと、一般人にとっては縁遠いものです。自分で一から学ぼうと思ったら、気の遠くなるような時間がかかってしまうでしょう。こうした専門知識の必要な分野こそ、プロに運用を任せられる投資信託の真価が発揮されるのかもしれません。

組み入れ上位10銘柄

  銘柄名 国・地域名
1 ユナイテッドヘルス・グループ アメリカ
2 ファイザー アメリカ
3 イーライ・リリー アメリカ
4 ブリストル・マイヤーズ スクイブ アメリカ
5 アストラゼネカ イギリス
6 ノバルティス スイス
7 サーモ・フィッシャー・サイエンティフィック アメリカ
8 シアトル・ジェネティクス アメリカ
9 アボットラボラトリーズ アメリカ
10 ボストン・サイエンティフィック アメリカ

2020年4月30日現在