危機を乗り越えられたのは資産を大膨張させたから

 ──2000年に株式投資を始め、2004年に専業投資家になられて以来、数多くの暴落や金融危機をご経験ですよね。どうして乗り越えられたのでしょうか。

 DAIBOUCHOUさん 私の場合は、2005年までにすごく儲かって資産を増やしたからだと思います。2006年1月には最高10億円まで大膨張しました。

 その後、紆余曲折ありまして、一時期は3億円ぐらいまで落ち込みましたが、資産400万円から投資をスタートしたことを考えれば3億円でも充分残っています。

 ──そうか、一度大膨張させたことで、リスク耐性が備わったということですね。

 DAIBOUCHOUさん 結局株で儲けるのは、2通りの方法しかないと思うんですよね。まずは市場平均をものすごく上回る株を買う。例えばインデックスが2倍になっているときに10倍になっているような銘柄ですね。これなら金融危機に巻き込まれても持ちこたえられます。

 そしてもう一つが、相場をうまく予想して、下落する前に逃げることです。そのどちらかができないと、株で大きく儲けることは難しいと思います。

 長期で見ればインデックス投資は優位性がありますから、割り切ってインデックスを長期投資するのでもいいと思います。でも、もう少し時間軸の短い投資となると、さっきの2通りのどちらかになります。

DAIBOUCHOUさん「数々の危機を乗り越えられたのは、すごく儲かって資産を増やしたから」

利用者として理解できる企業が好き

 ──理屈としてはとてもよくわかりますが、そういう10倍になるような銘柄はどうすれば見つかりますか?

 DAIBOUCHOUさん いわゆる成長株投資になるわけですが……。う~ん難しいですよね。IPO銘柄は有力な選択肢になると思います。でも上場ゴールの銘柄も多くて。上場のタイミングではキラキラしていても、その後成長するかどうかを見極めるのは、本当に難しいですね。

 私の場合は、利用者として理解できる業態の企業がいいです。例えば、回転ずしとか、ドラッグストアとか。あとは不動産関係ですね。なんかAIでどうのこうのとか、そういう新しいキラキラした銘柄よりも、生活に密着して業績を伸ばしているところのほうが個人的には好きです。IPO銘柄だと、情報通信とかサービスなどは個人投資家も扱いやすくていいと思います。

 ──そういう銘柄を発掘するのが難しければ、インデックスで長期投資すればいいと。

 DAIBOUCHOUさん そうですね。ただ最近気になっているのが、レバレッジを3倍掛けられる米国株のインデックスファンドがあって、それを使っている個人投資家が結構いるようです。素直に普通の米国株のインデックスファンドに投資すればいいのに、「3倍速くふえる」という軽い気持ちで投資しているとしたら、結構ヤバいと思います。今日もダウ下がっていますからね……。