(尾藤 克之:コラムニスト、明治大学サービス創新研究所研究員)
連日、テレビのワイドショーで新型コロナウイルス関連の情報が報道されています。ネットニュースやSNSのタイムラインを開けば同じような情報が流れてきます。「医療崩壊」「新規感染者最多」といったネガティブな情報に触れることで不安を感じる人もいると思います。自粛が余儀なくされ不安な日々が続くと精神的に疲れてきます。
それでも、私たちの命の安全に関わることでもあるため、情報を遮断するのは現実的ではありません。
そのようななか、最近目に付くのが発言力が強い人の「ネガティブ報道」です。すでに方向性が決まっていることに対して「バカ」「頭おかしい」などの発言をする人がいます。異なる意見を批判することでしか存在意義が見いだせないのでしょうか。
際立つ堀江貴文氏の権力者批判
彼らは、著名人で影響力がある一方で、批判に終始しているため建設的ではありません。当人は正論を唱えて自信たっぷりなのかも知れませんが、影響力が大きいだけに、情報を丸呑みしてしまう人が多くなると無用な混乱を招いてしまう恐れがあります。
23日、実業家の堀江貴文氏が、小池都知事がスーパーマーケットの混雑緩和策の中に、名前のイニシャル別に入店可能時間を設定との報道に対して、「くそ政策すぎて泣ける」とツイッターに投稿しました。
政府専門家会議の提言に対しても「専門家会議もついにモンスター化したな。誰でもホイホイいうこときくもんな。そりゃ調子にも乗るわな」「スーパー、コロナ期間に何度も行ってるけど全然密集したことないんだけど笑」と続けます。
サーフィン自粛を求める動きに対しても「ゼロリスク厨が力を増したきた。マジ危険」と批判を強めます。さらに、登山家の野口健氏が登山自粛を求めたことに対しても「頭悪すぎて笑う」などと批判しました。これに対して、野口健氏は「頭が悪いのはピンポン!笑いを求めた呟きではなかったのですが、しかし、笑いが少なくなりつつある今日において、お一人様にでも笑いを提供できたのはよかった」と一蹴しました。