日本企業にまで入り込んだ中国共産党組織
筆者は3年前、JBpressに記事を投稿し、在中国日本企業の多くは中国共産党の統制監督下に置かれていることを指摘した。
その際、在中国の日本企業が中国で生産した物資が、非常時には中国の「国防動員法」によって徴用されることを明らかにした。
そして、中国進出企業のみならず、日本政府もその危うさに対する対策が必要であるという警鐘を鳴らした。
今その指摘が、日本で「必要なマスクが手に入らない」という切迫した問題となって現れているのである。
JCASTテレビウォッチ(2020年3月6日)によると、 新型コロナウイルスによるマスク不足の原因の一つは、中国で製造した日本メーカーの製品が輸入できなくなっていることだ。
同記事の中で、マスク販売会社「ファーストレイト」の長谷川友彦社長は、同社の中国の工場にはマスクが山積みになっているが、2020年1月25日以降、出荷制限がかけられ、「残念ながら出荷できないのが現状です」と明かした。
同社の工場前には「弊社が生産するマスクは国家応急備蓄物資に含まれるため、輸出をお断りしております」と書かれた赤い看板が立てられ、周囲を警察官が見張っている。
別のマスク輸入会社も、中国で生産した分はすべて接収されたという。
なぜ、中国では、そのようなことが起きるのか。
その理由の一つは、当初に述べたように、在中国日本企業を含め、ほとんどの外資系企業に中国共産党組織が設置され、その統制監督を受けているからである。