日本の企業にとって大きな成長の機会となる

④ こんなタイミングだからこそ、注目したい金融商品や投資手法はありますか?

 株式アナリストとしては、やはり株式投資が魅力的だと思います。企業は株主に対して、配当の支払いをこれまで以上に厚くする方向で行動するはずです。また「社会的責任投資」やESG投資が拡大しており、企業は選ばれた企業として認められるためにも、社会に対してよき企業市民の一員であろうとこれまで以上に努力することになります。

 金利はまだしばらく、現在の「ゼロ金利」に近い状態が続くと見られるため、利回りを得ようとしてもむずかしい時代です。世界経済はこれまでのようなグローバルな成長やプラットフォーマーが独り勝ちを続けられる状況が徐々に見直され、その分むずかしい局面に入りつつあります。そうなってくると逆に、日本の足元の安定感を見直そうという機運が高まるとも考えられます。

 日本には厚みのある豊かな内需経済が、手つかずのまま横たわっているように見えてきます。農業に代表されるように、昔から存在する伝統的なビジネスを新しいテクノロジーで改良し、生産性を高めてゆくような若く新しい企業がここからたくさん出てくるのではないかと期待できます。

 伝統的な大手企業にもチャンスは十分にあります。日本の企業にとっては国内市場に意外と大きな成長の機会と位置付けてよいのではないでしょうか。株式投資には大きな魅力が感じられてなりません。

⑤ ご自身の資産運用やお金の使い方で見直した点はございますか?

 あまり意識しては変えておりません。変わってもいませんが、やはり新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、家族全員の外出の機会が減っています。

 そこで週末など、家の中で過ごす時の楽しみのために、以前であればどなたかへの手土産としてでしか買ったことのなかったスイーツの詰め合わせなどを、自宅用に買って帰るようになりました。単価としては2000円くらいの、ささやかなスイーツ詰め合わせです。ほんの小さな変化ですが、大きいと言えば大きいですね。

⑥ 投資を継続しようかどうか迷っている個人投資家にメッセージをお願いします。

 何ごともそうですが、最初の一歩を踏み出すことは勇気がいります。たいへんです。しかし何ごとも、そのような最初の一歩がないと始まりません。株式投資に限らず、およそ世の中の物事すべてが、自分で決めて自分で実行する、という作業が必要です。そのひとつに投資(私の場合は、株式投資)が位置づけられます。

 「世の中」のあらゆる物事が株式投資に集約されると思います。それくらい奥の深い世界です。ぜひとも思い切って、最初の一歩を踏み出してみてください。広大な世界の広がりにドキドキ、わくわくすること間違いなしです。