政権維持のために情報隠蔽を優先

 このようにSARSが流行した2002年~2003年当時と比べても、その隠蔽体質に大きな変化はなく、かえって習近平政権による監視社会・管理社会化が強力に推し進められている現状を考えると、現在の中国が民主主義や自由・平等を重んじるような社会の実現には程遠い状況にあることは明らかである。

 中国が目指すべき真の強国とは、自国の国民の自由・平等を守り、弾圧や差別をなくし、国際的な責務を全うして世界秩序の維持に貢献し、世界中の国が共感できる文化を持つ国でなければならない。

 今回、パンデミックの発生源でありながら、あろうことか政権維持のために情報の隠蔽を優先した習近平政権の責任は極めて重く、中国政府に国際社会のリーダーになる資格はないと断言する。

[筆者プロフィール] 藤谷 昌敏(ふじたに・まさとし)
1954(昭和29)年、北海道生れ。学習院大学法学部法学科、北陸先端科学技術大学院大学先端科学技術研究科修士課程。法務省公安調査庁入庁(北朝鮮、中国、ロシア、国際テロ部門歴任)。同庁金沢公安調査事務所長で退官。現在、JFSS政策提言委員、合同会社OFFICE TOYA代表、TOYA危機管理研究所代表。

◎本稿は、「日本戦略研究フォーラム(JFSS)」ウェブサイトに掲載された『新型肺炎を世界に拡散させた中国の情報隠蔽』を転載した記事です。