インデックス運用か、アクティブ運用か
投資信託の運用方法は、大まかに2つに区別することができます。
インデックス運用―市場平均への連動を目指す
1つ目は「インデックス運用」です。これは、例えば日本株式で運用する投資信託であれば、東京証券取引所第1部市場に上場している株式の平均値(東証株価指数、TOPIX)や、あるいは日経平均株価のような株価指数と同じ値動きをするように運用する方法です。
「インデックス投資信託(ファンド)」は、あらかじめ決められた指数(ベンチマーク)と同じ値動きをするように運用します。テレビのニュースなどで「今日の日経平均株価の終値は2万○○○○円でした」というのを聞いたことがあるかと思いますが、この日経平均株価がインデックスファンドのベンチマークとなっており、また株式市場全体の傾向を表す指標としても使われます。
米国株式では「ニューヨークダウ」「S&P500指数」がこれにあたります。株価だけでなく、債券や不動産、金などの商品先物のインデックスもあります。
インデックスファンドは、運用コストも比較的低いものが多い点も魅力になっています。
アクティブ運用―市場平均を上回ることを目指す
2つ目は、インデックス運用とは対照的に、運用会社が独自に株式などを運用して、日経平均株価などの市場平均を上回る運用成績を目指す「アクティブ運用」です。
よく耳にする「カリスマ性のあるファンドマネージャー」が運用する投資信託の多くも、この「アクティブ型」に含まれます。
その他、ロボットやAI(人工知能)など旬のテーマに沿って投資するタイプのアクティブ型が、最近は人気を集めているようです。
投資信託の価格が株価指数などに連動するインデックス運用と違い、アクティブ運用はファンドマネージャーの手腕で運用するものが大半で、その投資手法は商品によってさまざまですが、多くのファンドマネージャーは目先の経済でなく、未来の経済動向を踏まえた運用を行っているように思います。
株式のアクティブ運用はレーティングも➍、➎が中心になり、値動きは大きめです。ただし、商品の中には、同じ株式投資でも値動きを極力抑えるようなアクティブ運用を行うものもあり、アクティブ型が一概にリスクが高いというわけではありません。
インデックス型と違って、運用報告書ではファンドマネージャーの独自の見解や、株式などの個別銘柄をどのように組み入れているかという状況も事細かに説明しているので、資産運用が初めての方にとっては、投資を考えるときの参考になります。運用コストは少し高めになりますが、私自身も運用報告書が楽しみなので、アクティブ型の投資信託を買って、報告書を参考にしています。
リスクをいくらか取ってもいいと思う方は、アクティブ型の投資信託は選択肢の1つになるかと思います。
どうでしょうか? ここまでのお話で、かなり投資信託の商品が絞り込めたのではないかと思います。
これで、金融機関で商品を勧められてもあたふたすることなく、自分自身のリスクと向き合いながら、自分に合った投資信託を選べるのではないでしょうか。
次回は、投資信託の活用についてより詳しく考えていきましょう。