球界再復帰への一歩を踏み出した。元プロ野球選手の清原和博氏が「ワールドトライアウト2019」の監督として再び始動している。
2016年2月に覚せい剤取締り法違反容疑で逮捕され、懲役2年6月、執行猶予4年の有罪判決を受けている元スーパースターは今、ゆっくりとしたペースでありながらも段々と陽の当たる世界へと舞い戻りつつある。しかし完全復活を世間に証明するまでには、かなりのイバラ道となりそうな気配だ。
「清原監督」実現の裏事情
このイベントは日本プロ野球の球団を戦力外になった選手や、高校・大学・社会人のアマチュア選手、独立リーグ所属の選手、そしてメジャーリーグ傘下のマイナー契約でくすぶっている選手らが試合形式の真剣勝負でアピールし、監督の清原氏によって審査される内容となっている。ここで優秀選手に選ばれれば、大会運営側から米メジャー傘下のマイナーリーグ挑戦がサポートされることになっているという。イベント当日はプロ野球、メジャーリーグのスカウトたちが「視察予定」とアナウンスされていることから目に留まった選手はもしかしたら契約の道が開けるかもしれない。
確かにうまくいけば、これまでNPB主催で仕切られるように行われてきた12球団合同トライアウトに一石を投じるはずだ。ただ、7日に神奈川・保土ヶ谷球場で開催された「ワールドトライアウト2019」の予選会にはプロスカウトの姿が確認できなかったとの報道もある。30日に神宮球場で行われる本戦にはスカウトたちが多数来場するかもしれないが、編成業務に携わる球界関係者からは「いまひとつ方向性がはっきりしない」との声が上がっているのも事実だ。その当人が次のようにも続ける。
「どうして清原氏がこのイベントで監督を務めることになったのか。よく分からない人は多いと思う。そもそも清原氏は執行猶予中の身分。わざわざ白羽の矢を立てたのは普通に考えたとしても不可解だ。純粋なトライアウトだけの目的ならば、他にも審査する側に適したプロの大物OBは大勢いる。そこをあえて清原氏に『監督』という肩書まで与えてこのイベントに担ぎ出したのは、おそらくウラがあるからでしょう」