近年我が国は集中豪雨、豪雪、台風、地震、火山活動、異常な高温など呆れるほどの自然災害に苛まれている。
そして、その被害に遭われた方々は大変な困難に直面されており、お見舞いの言葉も見当たらない。
このような自然災害の原因はその多くが日本海を抱えた列島の地政学的な場所がユーラシア大陸と太平洋の接際部に位置していることにある。
ただ、もう一つ忘れてならないのが日本列島の構造である。
日本は世界有数の火山帯に乗っかる列島でその中央を走る山脈は急峻で、まるで動物の背骨のような形状を為して古来南北を行き交う人の移動を遮る屏風の様に立ちはだかっている。
さらにその脊梁山脈の南北両側では気象状態が全く異なっている。
南の太平洋側から風が吹くと、湿潤な空気が高山にぶつかって上昇し山脈の南側に大量の雨を降らせる。
逆に北から日本海を渡って来た風が吹くと、やはり大量の雨や豪雪を降らせることはよく承知されていることで、日本が大きな災害を毎年被る主たる原因となっている。
そして、古来その雨や雪によってもたらされた大量の水は河川を降り海に注がれるが河川の流量が許容限度を超えると堤防が決壊し水は時として大洪水を引き起こして多くの民にとって災難となってきた。
しかし、たびたび襲来する豪雨によって洪水被害に悩まされている一方で、時として雨が極端に少ない厄介な気象にも悩まされている。