今年のコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(1月米ラスベガス、CES2011)では、何と言ってもネットTVで盛り上がった。

ネットTVは映像ビジネスの断片

CES閉幕、今年の主役は「アンドロイド」

CES2011に東芝が出品したアンドロイド搭載のネットTV〔AFPBB News

 ただし、画質やリモコンなどテレビの機能だけを論じても、その本質を見失う。

 ネットTVビジネスのポイントは、コンテンツ配信のプラットフォームを誰が握るのかというビジネスモデルの話だ。

 テレビ以外に、スマートフォンやアイパッド(iPad)で映像を見る映像消費活動をビジネス化するために、ハリウッドスタジオは有料配信を模索し、グーグルは広告モデルを組み立てている。

 家電メーカーのネットTVの発売は、大きな映像ビジネスの局地戦に過ぎない。

テレビ以外に拡大する視聴行動

 米国では、月間50億回以上もインターネットで映像が見られている。アイパッドは、発売から8カ月で1400万台が売れ、ネットフリックスは会員が2000万人を超えた。

 2010年に加入した800万人のうち、250万人は、DVDレンタルではなくネット配信の会員だ。ブロードバンド普及は9000万世帯を超えている。

 さらに、今後は無線のインターネット利用が増える。今でも、無線インターネット接続の50%以上は、米国で毎年5000万台以上出荷されるスマートフォンからだ。

 2010年12月から始まったLTE(高速のモバイル回線)とスマートフォン、タブレット端末が結びつけば、テレビ以外の映像視聴が拡大する。