業績向上を目的とした組織改革や人材開発、リーダー開発の加速に向けてエグゼクティブ・コーチングを提供するコーチ・エィの「Coach's VIEW」から選りすぐりの記事をお届けします。
応えるべきは、誰の期待なのか。

(文:コーチ・エィ 長田祐典)

「最近、若手の社員に、『私に期待することは何ですか?』とよく聞かれるんですけど、すごく違和感があるんです」

 ある会社の社長Aさんが、セッションで仰いました。Aさんは、自らやりたいことを描き、未来を設定し、それに向かって突き進んできた人です。

 確かに、私も採用責任者としてたくさんの学生と会いますが、「長田さんは、新入社員に何を期待していますか?」といった質問をよくされます。

 4月も最終週になり、新入社員が自分の部署に配属される方も多いかもしれません。

 今号では、「期待を伝えること」について考えてみたいと思います。

人はなぜ「他人からの期待」を聞きたいのか?

 エグゼクティブ・コーチングでは、コーチがクライアントの関係者にインタビューをするのですが、事前にクライアントから「上司が私に期待することを聞いてきてほしい」と、リクエストされることが多々あります。

 ここから考えると、若手に限らず、どうも人は「誰かの期待を聞きたい」ようです。