「北に安全保障提供」米国務長官、非核化の見返りに言及

北朝鮮・平壌で握手をする金正恩朝鮮労働党委員長(右)とマイク・ポンペオ米国務長官。朝鮮中央通信(KCNA)提供(2018年5月9日撮影、同10日公開、資料写真)。(c)AFP PHOTO/KCNA VIA KNS〔AFPBB News

 米朝首脳会談を控えて、全世界の関心が北朝鮮の非核化という課題に集中してきた。トランプ政権の対策については種々な観測が飛び交っているが、1つだけ確実なのはトランプ政権が「リビア方式」を大幅に採用するだろうという見通しである。

 リビア方式とは、2003年に米国の2代目ブッシュ政権が採用した交渉や圧力、検証などの方法を指す。ブッシュ政権はこの方式で、リビアのカダフィ政権の核兵器開発を即時、無条件に放棄させることに成功した。

 当時、米国はリビアの核関連施設をすべて自由な査察の対象とし、しかも数カ月という短期間に核関連の機材や技術をすべて押収して、しかも米国内の施設へと運んで破壊した。

段階的ではなく一気呵成に非核化を実現

 5月に入ってから、トランプ政権で対北朝鮮戦略の中心に立つジョン・ボルトン氏(国家安全保障担当の大統領特別補佐官)が、北朝鮮の非核化にはリビア方式を大幅に採用すると公の場で繰り返し表明するようになった。ボルトン氏はリビアの非核化交渉の際に、当時のジョージ・W・ブッシュ政権の高官として交渉に直接参加している。