東大で「株主総会」が開かれている、と言ったら、びっくりされるでしょうか?
冗談ではなく、実際に「東京大学定期株主総会」は開催されています。第3回が2017年10月21日、東京大学工学部2号館で、本部決算課とIRデータ室主催で開催されたばかりです(参照=http://www.u-tokyo.ac.jp/ja/alumni/interact/hcd/hcd2017/symposium/index.html)。
今回の「東京大学定期株主総会」は「Financial Report including IR Data 2016」と題されて、東大の2016年決算を「Institutional Research(経営戦略情報)」と合わせて公表、外部から識者を招いて公開討論などを行う趣旨で実施されました。
今回はこのIR、大学が生存を懸けて行う「情報戦略」を、経営の観点を含めて概観してみたいと思います。
戦略経営できない大学は沈没する
東京大学は「国立大学法人」で、株式会社ではありません。そんな東大が「株主総会」なんて、お遊びではないかと思われる方には、文部科学省の「指定国立大学法人」化のアウトラインを見ていただきたいのです。
指定国立大学法人化・・・いまだ、大学内でもきちんと理解している人が決して多くない、この新しい制度。
何か新しい予算でもつくのかな・・・なんて濡れ手に粟を想像して近寄ってくる旧態依然の先生は、その種のうまみがないと知るや否や、さっと引いてしまったりします。