マット安川 今回のゲストは、小泉純一郎元総理や小沢一郎さんの同期で、政治評論家としては重鎮の浅川博忠先生。

 ソフトな口調ながら厳しい国民目線で、政治家の資質や歴史、また大連立を見越した今後の流れなどをお話しいただきました。

史上最低の臨時国会。民主党は綱領を作り、国家ビジョンを示せ

「マット安川のずばり勝負」ゲスト:浅川博忠/前田せいめい撮影浅川 博忠(あさかわ・ひろただ)氏(右)
政治評論家としてテレビ・ラジオ、週刊誌などで政治解説、コメンテーターを務める。『小沢一郎 独走す』(東洋経済新報社)など、著書多数。 (撮影・前田せいめい)

 浅川 私は40年近く国会を見てきましたが、この秋の臨時国会は史上最低でした。

 そこには国の明日や、10年20年先を見据えた議論はなく、与野党が互いに揚げ足取りをしたり、重箱の隅をつついたり、乱暴な国会答弁に対するやり取りばかりでした。

 普通なら政府の出した法案というのは80%以上通りますが、今回はその半分、40%程度しか通らなかった。これは政策論議をしっかりしていなかった証しです。

 そもそも民主党には党の綱領がありません。綱領は政党にとっていわば憲法のようなものです。綱領を見れば、その政党が目指す国家像や国家ビジョンが見えるんです。

 ところが、民主党には肝心の綱領がないから、鳩山(由紀夫前首相)さんにしろ菅(直人首相)さんにしろ場当たり的で、国家像を示せないんですね。

 一方、マニフェストというのは選挙のたびに国民に示す一種の選挙公約です。短期的なものであり長期のものではない。

 自民党は昭和30(1955)年の結成時に、自主憲法制定から始まる党の綱領をつくった。今年できたたちあがれ日本だって綱領をつくっています。