2008年冬、米ニューヨークで開催されたコンファレンスで出会ったベンチャー企業の最高経営責任者(CEO)が、当社のセマンティック検索エンジンを使えば、今までにない関連性を見つけられると話しかけてきた。
データ イズ キング?
「BMWを買った人の50%は7日以内に花を買うんだ」と言う。「本当かな?」。ちょっと半信半疑だった。
そのコンファレンスでは、広告ビジネス成功のカギは、顧客データではなく行動データであると熱く語られていた。
2010年11月に、またニューヨークで行われたコンファレンスに参加すると、「3年後の広告はもう今までの姿とは違うだろう」という話を、広告代理店、アドテクノロジー企業が延々としていた。
2年前、ハイパーターゲティングとかセマンティック広告と言われていたのが、2009年秋頃からアドテクノロジーと呼ばれるようになり、大きなムーブメントになっていたのだ。
クリエイティブも自動で作るアドテクノロジー
株の売買は、どの株をいくらで売るか、買うかを自動で設定できる。株のプロは、何千種類の株をいつ、いくらで売買するか何万通りものパターンを作りプログラミングする。
「この仕組みを広告にも応用できないか」と考えている人たちも、アドテクノロジーに参入している。
例えば、DataXuは、金融工学の博士号を持つ人が多数おり、何十万とある広告枠と出稿額を組み合わせ、株式を売買するかのようにリアルタイムで広告枠に出稿し、クリック率を集計、分析して目標を達成する。
日本でも、Fringe81は、広告コピーの種類、位置、色、メーンキャラクターの位置などを組み合わせ5000種類のバナー広告を瞬時に生成し、一斉配信する。
そして、30分に1回、各バナー広告のクリック率を集計し、結果の悪いバナー広告を外して、良いクリエイティブのものに差し替える。成績の良いものだけを残し、目標のクリック率を達成する仕組みだ。