浅草の雷門。地元の店はインバウンドで潤っているのか?

 5月の連休、東京・浅草は多くの人出で賑わった。仲見世は大混雑で、もはや立錐の余地もないほどだ。もともと浅草は国際的な観光地だが、外国人観光客はますます増えた。

「平成26年度台東区観光統計」の推計によると、2014年に年間326万人の外国人観光客が同地区を訪れた。2016(平成28)年には2014年比で1.7倍の外国人客が日本を訪れたことからすると、単純計算で今や年間550万人を超える外国人客が浅草を訪れていることになる。

浅草での行動半径を広げる外国人観光客(筆者撮影、以下同)

 浅草界隈で外国人客が多く訪れる場所といえば雷門や観音堂、仲見世などだが、近年は行動半径が広がっている。地元客しか行かない“昭和の酒場”のような場所にも外国人観光客が姿を現すようになった。

浅草での商売は甘くない

 場外馬券売り場の「WINS浅草」に隣接する飲み屋街「初音小路」もそんな場所の1つだ。雰囲気は庶民的でいかにも地元の客向けの居酒屋だが、「外国人客も取り込まなくては」という意識が出てきたのだろう、英文表記のメニューを置く店も増えてきた。インバウンド効果は浅草の隅々まで行き渡っているようだ。

外国人客が増えた「初音小路」