2016年11月、ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞が大きな話題となりましたが、その同じ時期に、詩人にしてシンガーソングライターのレナード・コーエンが最新作、そして最後の作品となる「You Want It Darker」を発表しました。
ディランとコーエンは1960年代からお互いの才能を認め合い、尊敬し合い、影響を与え合ってきました。ディランのノーベル賞受賞に関してコメントを求められたコーエンは、「それは、エベレストの頂上にメダルを飾るようなもの」と詩人らしく端的かつ簡潔に答えたと伝えられています。
コーエンは息子のプロデュースで制作された「You Want It Darker」を発表した数週間後、眠っている間に息を引き取ったそうです。享年82歳。
レナード・コーエンは、カナダのモントリオールでユダヤ系の家庭に生まれ、大学時代に詩集を発表して詩人としてのキャリアを歩みはじめました。その後、文明から隔絶されたようなギリシャの小島に恋人と共に移住して、小説家としても活動していました。
30代になってからは生計を立てるためにアメリカに活動拠点を移してシンガーソングライターに転身。67年に33歳という遅咲きのデビューを果たします。