「シャッター商店街」「空き店舗」といったフレーズは、すっかり地方の街並みを象徴する表現となった。少子高齢化や過疎化に悩む地方にとって、「街の賑わいをどう取り戻すか」は大きな課題となっている。
そんな中、子供の教育を切り口に街の活性化を目指す新たな地域自治を実践しているエリアがある。群馬県渋川市だ。
同市では、駅前の空き店舗を「高校生の学習の場」として活用。「すたでぃばんく」という愛称の放課後自習室に生まれ変わらせた。しかも、ただ施設をつくるだけでなく、高校生や大学生、市が一体となって、“地域のつながり”を生み出している。
そんな渋川市の取り組みについて、今回、行政学や地方自治論を専門とする國學院大學法学部の稲垣浩准教授がフィールドワークを敢行。その模様を伝えつつ、この取り組みが地域自治にもたらす意味を考えていく。
高校生と行政のつながりを作るのは、もっとも難しい
まずフィールドワークの前に、教育を視点にした街の活性化の取り組みがなぜ必要なのかということと、取材のポイントについて稲垣先生に伺った。