米国などの先進国市場では、スマートフォンやパソコンの普及が進み、市場はすでに飽和状態に達したと言われている。そうした中、これまでインターネット機器でサービスを提供してきた企業は、テレビの視聴者を新たな顧客として取り込みたい考えのようだ。
そうした企業の1つが米グーグル傘下のYouTube。同社はこのほど、テレビ用のYouTubeサービスでユーザーインタフェース(UI)を改良したと発表した。
テレビでYouTubeを利用する人増加
YouTubeによると、これまで画面左のサイドバーの中にあった各カテゴリーを画面上部に移動するなどし、利用者の好みの動画を見つけやすくしたという。
YouTubeのサービスはパソコンなどのウェブブラウザーやスマートフォンのアプリで利用する人が多い。
だが、大手メーカーが販売するスマートテレビや、グーグルの「Chromecast」、米アップルの「Apple TV」といった映像配信端末、さらに米マイクロソフトの「Xbox」、ソニーの「プレイステーション」といったゲーム機でも利用できる。
同社が米国人を対象に行った調査によると、18~49歳のYouTube利用者の半数以上が、こうした機器を通じてテレビでYouTubeを視聴したことがあるという。
また昨年はテレビによる利用時間が2倍以上に増えるなど、最近はリビングルームの大画面でYouTubeを楽しむ人が増えているという。
テレビとスマホで大きく異なる利用体験
同社はこうした状況を踏まえ、利用者をさらに増やすべく、テレビ用サービスの使い勝手を工夫した。
例えば前述のカテゴリーは、画面上部に、左右にスライドするカルーセル方式で、十数種のトップカテゴリーを表示する。これにより利用者はアプリ内のどの階層にいても素早くトップカテゴリーに戻れる。