感謝祭パレード、厳戒態勢の中実施 NY

米ニューヨークで大手百貨店メイシーズが主催する毎年恒例の感謝祭のパレード(2015年11月26日撮影)〔AFPBB News

 1つの時代が終わりを告げたということなのか。

 米大手百貨店「メイシーズ」は8月11日、今後1年ほどで米国内の100店舗を閉鎖すると発表した。メイシーズと言えば米百貨店の代名詞的な存在で、ニューヨーク市マンハッタンにある店舗はいまでも全米最大の売り場面積を誇る。

 160年近い歴史を持つメイシーズは、世界中の百貨店に影響を与えてきたが、一度に100店舗も閉めるとのニュースに、消費者からは「メイシーズは終わりなのか」との声が出ている。

 無理もない。100店舗である。日本百貨店協会に加盟している日本の百貨店総数は今春の数字で224店舗。最も多くの店舗を持つ高島屋でさえ海外店を含めて20数店舗である。

限界に近づいた百貨店経営

 一方、メイシーズの店舗数は現在728。アウトレット店なども含めると880店舗近くになる。日本の百貨店と単純比較はできないが、それでも100店舗の同時閉鎖は過去最大である。

 主因はすでに読者の方の想像される通り、インターネットの影響である。

 小売業界の売り上げの比重はインターネット販売に移行して久しく、肯定的な見方をすれば、今回の発表は路面店からの脱皮の一環と受け取れる。一方、悲観的な見地に立つと、従来型の百貨店経営の限界がきているとも言える。実際はどうなのか。

 メイシーズは過去数年、段階的にダウンサイジングを実施している。この2年間だけでも、2014年1月にはカンザス州、アリゾナ州を含む5州5店舗を閉鎖すると同時に、人員2500人を削減。それにより約1億ドル(約100億円)のコスト削減を行った。

 さらに2015年9月には最大50店舗を閉鎖すると発表。過去6年間の閉鎖数は90店舗に達した。こうした流れを考慮すると、100店舗の同時閉鎖は「もう1つの大波」と呼べなくもない。