French Prime Minister Manuel Valls (L) recieves a "Hongi", or touching of the noses, after the Wreath Laying Ceremony at the Auckland War Memorial Museum in Auckland on May 2, 2016. (c)AFP/MICHAEL BRADLEY

 相手の感情が荒れている時、自分の感情を観察し、安定させると、相手の感情も落ち着いてきた。

 チームのメンバーの状況が不安定な時、自分の感情を観察し、安定させると、メンバーの状況も落ち着いてきた。

 不思議な話に聞こえるかもしれないが、こういった話は少なくない。ある保育士の方からこんな話を聞いたことがある。

落ち着かない園児の原因

 「自分の感情の状態と園児の態度はかなりリンクしています。園児がばたばたして落ち着きがなかったり、走り回って言うことを聞かなかったりする時は、自分の感情が安定していないことが多いんです」

 「例えば、前の日につらいことや嫌なことがあったりして、気持ちが落ち込んだり、むしゃくしゃしたりした状態で園児の前に立つと、いくら表面的には平静を装っていても、園児たちは騒いだり、落ち着きがなかったりするんです」

 「なので、園児たちがそういう状態の時はまず自分の感情が乱れてないか観察して、乱れていれば安定させるようにします。すると、園児たちの態度も徐々に落ち着いてくるんです」

 この話を聞いた後、私は保育士や小学校教員といった幼少期の子供の教育に携わる人にお会いする機会があるたびに、この話をしてみた。

 これまで計6人の方に話したところ、すべての方が「まさに自分もそう感じている」と言う。

 園児や生徒は先生の感情の状態を感じ取り、それに反応する。そのため、自らの感情を落ち着かせることなく、園児や生徒を落ち着かせようとしても、それはなかなか難しい。

 園児たちや生徒を落ち着かせようとするならば、まず自らの感情を落ち着かせる必要がある。異口同音にそう話された。