先頃米国の市場調査会社IDCは、今年の世界スマートフォン出荷台数の伸び率がわずか3.1%にとどまるとするリポートを公表したが、別の米調査会社であるガートナーがこのほどのまとめた販売統計リポートを見ても、同様の見解が示されている。
スマートフォンは先進国市場がすでに飽和状態にある中、今後インドやアフリカ地域がメーカー各社にとって魅力的な市場になるという。
今年の販売台数はわずか7%増
ガートナーによると、今年1年間におけるスマートフォンの世界販売台数は15億台となり、昨年からの伸び率は7%にとどまる見通し。
スマートフォンの世界販売台数の前年比伸び率は2010年に73%と、ピークに達し、昨年も同14.4%と、2桁成長が続いたが、今後は高い成長が見込めないという。
例えば、北米の成熟市場や西欧、日本、アジア太平洋地域の成熟市場ではその普及率が90%に達している。またこれらの地域の利用者はこれまでのような頻度でスマートフォンを買い替えなくなっているという。
これら地域における高価格帯スマートフォンの買い替え周期は平均2.5年で、今後5年間、これが大きく変わることはないとガートナーは予測している。
これに対し、新興国市場における高価格帯スマートフォンの買い替え周期は平均2.2年~2.5年、低価格帯スマートフォンは同3年以上。
ただし新興国市場ではフィーチャーフォン(従来型携帯電話)からスマートフォンへの買い替えが進んでおり、今後大きな成長が期待できるという。