筆者は2月9日付の記事「プリンタブルエレクトロニクスの明日を調べてみた」で、プリンテッド・エレクトロニクス(Printed Electronics)の技術動向はセンサーが主流と述べた。では、何のセンサーなのか。プリンテッド・エレクトロニクスに最適なセンサーは何なのだろうか。筆者のアイデアをずばり言おう。体重モニター機能付きシューズだ。
そのシューズ(サンダルでもスリッパでも良い)を履けば、いつでも、どこでも、体重をリアルタイムで測定できる。それをスマホでモニターするのである。これが爆発的に売れる、すなわちイノベーションを起こすであろう根拠を以下に論じる。
キーワードはダイエット!
江端智一氏(こぼれネット)によれば、Googleで“diet”を検索すると、なんと4.65億件もヒットするという(2015年8月21日、株式会社NTTデータ数理システムでの講演資料)。
さらに、Amazonで売られている書籍をカテゴリーごとに検索すると、「出世」に関わる書籍は約500種類に止まるのだが、「ダイエット」に関わる本は驚くことに9700種類にも上る(同資料)。なんとダイエットに関心を持つ人々が多いことか。
余談ながら、日本の肥満率は低い。世界成人肥満率ランキング(2008年、WHO版)によると日本の肥満率は4.5%に過ぎず(ここで肥満の定義はBMI≧30であり、4.5%は約20人に1人が肥満を意味する)、世界平均18.9%を大きく下回る。にもかかわらずダイエットへの関心が高いのは、スリムな体型への憧れや社会的な健康志向の高まりがあるのではないか。
江端氏はダイエットに取り組む人々のブログをテキストマイニングで分析し、多くの人が“体重”を評価基準にしていることを明らかにした。そう、ダイエットに取り組む人にとって、「体重、命」なのである。
既存のウエアラブル端末に足りない機能
リストバンド型活動度計は今ではすっかりポピュラーになった。