マット安川 尖閣諸島問題において、那覇地検による中国人船長釈放が報じられた際、真っ先に70名を超える有志を束ねて厳しく追及したのが、今回のゲスト・松原仁さん。
「たたかう庶民派」と内外から期待が寄せられる松原さんに、秋の臨時国会はもちろん、外交や円高など、日本が直面しているさまざまな問題について、分析や考察をお話しいただきました。
那覇地検の尖閣問題への対応に異議あり
(撮影・前田せいめい、以下同)
松原 今回の尖閣問題については、私は政府にではなく、正確には那覇地検に対して異を唱えたのです。それには2つの意味があります。
第1点は、仮に中国人船長釈放が那覇地検の判断であるとしたならば、政治主導というのはどうなるのかということです。
つまり、日米関係、米中関係そして日中関係についての知見というのは政府の専権事項ですから、それ以外の誰かが無責任なことをやってはいけないわけです。
2つ目は、那覇地検がこういった問題を判断するための基準や情報はどこにあるのかということです。
率直に言えば、那覇地検が検察として気合いを入れてやるならば、筋論としては水面下で政府から話があったとしても蹴っ飛ばすべきです。そして、最高検も含めて議論して、国内法に準じて粛々とやっていくならばいいわけです。
しかしながら、政治的圧力があったかなかったか分かりませんが、圧力があったとしても屈してしまったのならば、これは地検の問題です。
那覇地検が釈放の理由に日中関係を挙げたのは、彼らの悔し涙の一発だったという人もいますが、粛々とやればいいわけです。検察として最後まで仕上げますと。
どうしても政治が圧力をかけたいならば、どうぞ指揮権を発動してくださいと言えばいい。検察もそこまで開き直るくらいの決意でやらないといけないと思います。