米グーグルがここのところ、およそ本業のネット検索とは関係のない風変わりな投資プロジェクトを相次いで発表しており、話題になっている。

 例えば10月12日に発表した「大西洋岸の海底送電線開発プロジェクト」や、その前日に明らかにした「無人で走行できる自律型自動車の開発」などがある。

高度な次世代社会を目指して

「グーグルTV」 コンテンツパートナーを発表、アマゾン・NBAなど

米グーグル、「無人走行車」と「海底送電線」への投資を発表〔AFPBB News

 前者は米ニュージャージー州からバージニア州の沿岸沖約560キロにわたって基幹送電線を敷き、洋上風力発電の電力を地上の送電システムにつなぐというもの。

 このプロジェクトには丸紅や米国の独立発電事業者なども加わり、費用は総額50億ドルになるが、そのうちグーグルは37.5%を出資する。クリーンエネルギー利用の促進が期待でき、数千人規模の雇用も創出できるとグーグルは話している。

 後者は、トヨタ自動車のハイブリッドカー「プリウス」を使った自動運転システムで、こちらは米欧のメディアでも大きく取り上げられた。

 このシステムは、人工知能や、ビデオカメラ、レーダーセンサーなどを搭載し、周囲の交通を確認しながら地図データ参照して目的地にまで走行するというもの。

 既に米カリフォルニア州マウンテンビューのグーグル本社から、ハリウッド大通りやネバダ州との州境にあるタホ湖などへと走らせており、合計22万キロ超の公道走行に成功したと同社は説明している。

新型プリウスでもブレーキ苦情、国内13件 米国で100件超

トヨタのハイブリッドカー「プリウス」〔AFPBB News

 米ニューヨーク・タイムズによると、このプロジェクトを主導したのは、グーグルの地図情報サービス「ストリートビュー」の共同開発者で、スタンフォード大学人工知能研究所のディレクターも務めるセバスチャン・スラン氏。

 ストリートビューカーで収集した膨大なデータをグーグルのデータセンターで処理することで、こうした自律型自動車が実現できるのだという。「360度確認でき、脇見運転や居眠り運転もなく、人間よりも反応が早いため事故がなくなる」(スラン氏)としている。

 同氏はこうした技術で交通事故の犠牲者を減らしたり、幹線道路を使って一度に大量の人を輸送する“ハイウェイトレイン”を実現し、交通渋滞やエネルギー消費を抑えることができるとしている。