「内政が機能不全に陥っているにもかかわらず、日本政府の中国人船長釈放決定に威厳と力強さがあったのは救いだね」

レアアース輸出に積極姿勢 将来は対中輸出も 豪企業

中国の唯我独尊は世界を動かした。オーストラリアではレアアースの大増産に向けて準備が進む〔AFPBB News

 米国ワシントンD.C.にいる30年来の友人から来たメールにこう書いてあった。日本人の感覚とはちょっと違うが、「尖閣事件」を外から冷静に眺めるとこう見えるらしい。

 この友人は続ける。「当初の強硬で愚かなレトリックを取り下げ(譲歩し)たのは中国側だったが、一見小さな事件が日中間の亀裂をより深刻化させる事態は、これが最後ではなかろう」

 30年間「日中等距離」を保ってきたこのアジア専門家の言葉が、今のワシントンの雰囲気を正確に代弁しているように思えた。

 実際に9月27日付ワシントン・ポスト紙は、「19世紀的重商主義の中国に対し、米国は日本、韓国などの同盟国を強く支援すべきだ」とする社説を掲載している。

予想以上の副作用

日中首脳が会談、両国関係改善で一致

ASEMに出席した菅直人首相〔AFPBB News

 10月4日、大方の予想に反し、ベルギーのブリュッセルで「日中首脳会談」が行われた。場所はアジア欧州会合(ASEM)首脳会議夕食会会場の廊下だったようだ。

 日本側には中国語通訳がいなかったという。もともと予定が立たなかった日中間の「交談」が、現場の判断で急遽決まったのだろう。

 それにしても、中国の人たちの行動は実に分かりやすい。やはりキーワードは「面子」だったようだ。

 漁船の衝突と中国人船長の拘束により、中国側の「面子」は丸潰れとなった。強硬な抗議にもかかわらず日本側は船長を解放せず、中国共産党で外交を取り仕切る国務委員、戴秉国の「面子」も完全に潰れた。

 中国側が対日姿勢を硬化させたのは当然だが、この強硬姿勢には予想以上の「副作用」があった。