(写真はイメージ)

「シティポップ」といえば、1970年代後半~80年代に洋楽のAORやジャズ/フュージョン、ソウル~R&B、ブラジリアン~ラテンなど洗練されたアーバンなサウンドを消化して独自の日本のポップスを創り上げた音楽スタイルの呼称として知られています。ここ数年、当時の音楽を知らない世代の多くのミュージシャンが、その音楽性の高さや煌びやかなイメージへの憧れ、そして、当時のムードを反映させながら往年のサウンドを忠実に再現したものから現代的にアップデートしたものまでいろいろな作品を発表していて、再びシティポップが日本の音楽シーンの中で1つの重要なキーワードとして注目を浴びています。

 バブル崩壊後、90年代に入るとオルタナティヴなロックやヒップホップの勃興もあってシティポップという音楽スタイル(イメージといったほうがいいかもしれません)は一時メインストリームではなくなります。とはいえ、決して途絶えてしまったわけではなく、その後も継続してさまざまな方向に進化/発展し、現在の音楽にまで脈々と繋がってきていると思います。

本コラムは音楽レビューサイト「Mikiki」とのコラボレーション記事です

 では、当時と現在の間で重要な活躍を見せたミュージシャンは誰だろう? と考えたとき思い浮かぶ1人が「ポップスの魔術師」「ポップ・マエストロ」と称賛される冨田ラボこと冨田恵一という現在の日本の音楽シーンのトッププロデューサー/作曲家です。