筆者は普段、日本の個人投資家向けに、経済・金融市場の見方や資産運用の考え方について情報発信しています。JBpressで初回となる今回のコラムでは「2016年の経済・金融市場の見通し」について考察したいと思います。
米国経済は遠くない将来に景気後退に突入する
2016年はどんな年か? ひとことで言えば、2016年は「米国の景気後退が視野に入る年」と考えています。
ここで「視野に入る」としているのは、米国の景気後退入りは必ずしも2016年ではなく、2017年になる可能性もあると考えているためです。いずれにせよ、米国経済は、そう遠くない将来に景気後退に突入するだろうと考えています。
理由は3つあります。
1点目は景気循環の観点です。米国の景気拡大はかなりの長期間続いており、いつ景気後退に陥っても不思議ではありません。