全米レコード協会(RIAA)が9月21日までにまとめた米国音楽販売統計(PDF書類)によると、今年上期(1~6月)における同国の音楽売上高は32億ドルとなり、1年前から0.5%減少した。
ストリーミングが急成長
前年割れの最大の要因は、米アップルの「iTunes Store」に代表される音楽ダウンロード販売の減少だという。今年上期におけるダウンロード販売の売上高は1年前から4%減少し、13億ドルとなった。
これに対し、急速に伸びているのがストリーミング配信サービス。その上期における売上高は、1年前から23%増の10億3000万ドルとなり、初めて10億ドルの大台を突破した。
米国音楽販売の形態別売上高は、ダウンロード販売が全体の40%を占め、これにストリーミングサービスの32%、音楽CDなど物理メディアの24%と続いている。
ダウンロード販売は依然最も売り上げが多いが、過去5年間に米国の消費者は楽曲を購入・所有するという従来の楽しみ方から、聴き放題の有料サービスや広告付き無料サービスに移行している。
アップルは今年6月末に定額制音楽サービス「Apple Music」で、ストリーミング市場に本格参入したが、米シーネットによると、その背景にはこうした消費者動向の変化があるという。
5年前に米国音楽販売全体のわずか5%だったストリーミングの売上高は、昨年4分の1となり、今年はついに3分の1までに増えたと、シーネットは指摘している。