米MS、音楽配信サービスが「Groove」に 新OSにも搭載へ

携帯端末に表示される米マイクロソフトの新OS〔AFPBB News

 米マイクロソフトは9月16日、同社の携帯音楽プレーヤ端末「Zune」向けの音楽サービスを11月15日で終了すると発表した。この日をもって同サービスからZuneに音楽をダウンロードしたり、ストリーミング再生したりできなくなるという。

今後は新サービスの「Groove」へ

 一方、Zuneは単体の音楽プレーヤー端末として使えるため、利用者は持っている音楽を再生したり、他の機器から転送、あるいは他の機器へ転送したりすることはできると、同社は説明している。

 これに伴いZuneの音楽サービス加入者は、11月15日までに同社の新ブランド音楽サービス「Groove」に自動的に移行されるという。

 このGrooveは月額9.99ドル/年額99.90ドルのサービス。Windows 10搭載機(パソコン、スマートフォン、タブレット)やゲーム機の「Xbox One」「Xbox 360」、そしてiPhoneなどiOS向けアプリやAndroid向けアプリなどに対応する。

 つまりZuneサービスの利用者は、今後Zune端末ではマイクロソフトの音楽サービスを利用できなくなる。もし同社サービスを利用したいのなら、これらGroove対応の機器を使わなくてはならないというわけだ。

MSの不運な音楽サービス

 今回のマイクロソフトの発表を受けて、米メディアはZuneと同社音楽サービスの紆余曲折を報じている。

 Zuneは2006年に、米アップルの携帯音楽プレーヤ「iPod」の対抗製品として発売された。だがPCワールドザ・ネクストウェブ)によると、2008年時点におけるその累計販売台数は200万台にとどまり、当時のiPodの月間販売台数であった約350万台には遠く及ばなかった。

 マイクロソフトは2011年にZuneの生産を打ち切り、2012年には後継の音楽サービス「Xbox Music」を始めた。この時点で同社はZuneのブランドを事実上捨てており、アップルへの敗北を認めたようなものだったが、Zuneの音楽サービスはその後もZune端末向けに細々と提供された。

 マイクロソフトは当時Xboxブランドの強みを生かすことに力を入れており、新サービスのXbox Musicを華々しく立ち上げた。

 だがフォーブスによると、Xboxは結局音楽サービスのブランドとしてあまり知られることはなかった。そして同社は、今年、Windows 10のリリースに伴い、Xbox Musicを前述のGrooveに改称した。