バンコク名物屋台が消滅?軍政の「イメージアップ作戦」に賛否

タイでビジネスを展開する際はどんなリスクがあるのか? バンコクの中華街で屋台の間を歩く人々(2015年1月16日撮影、資料写真)。(c)AFP/Nicolas ASFOURI〔AFPBB News

 日本企業の海外進出は近年急激に拡大している。特に新興国と言われる国に進出を計画または拡大を図るケースが増えている。

 しかしながら、新興国においては、欧米諸国と比べてリスクも多様化しており、リスクマネジメント体制構築の重要性が非常に高いと言える。そこで今回から、主要な新興国について、国別にその国特有のビジネスリスクについて見ていきたい。第1回目は日本企業の海外進出が拡大しているタイを取り上げた。

進出している日本企業は1500社

 タイ王国は人口約6640万人で、東南アジア諸国連合(ASEAN)の主要国である。また、経済規模は、ASEANの中でインドネシアに次ぐ規模を誇っている。民族的にはタイ族が95.9%とほとんどを占めており、それ以外ではビルマ系が約2%とされている。また、宗教的には仏教がほとんど(93.6%)で、それ以外にはイスラム教4.9%、キリスト教1.2%等となっている(民族および宗教については米国CIAの「World Factbook」による)。

 政治体制は立憲君主制で、プミポン(Bhumibol Adulyadej:ラーマ9世:Rama IX)国王(87歳)が1946年6月9日から在位している。政治体制は比較的安定的しているが、同国王即位後において、これまで少なくとも19回のクーデターが発生し、その度に憲法が改正されていることは特徴的である。