英ロイター通信や米ウォールストリート・ジャーナルの報道によると、中国のスマートフォンメーカー、シャオミ(小米科技)がまもなくブラジルでスマートフォンの販売を始めるという。
中国で急成長してきた同社は、これまでインドやインドネシア、マレーシアなどのアジア諸国でその販路を広げてきたが、アジア以外の市場に進出するのはこれが初めてだ。
米グーグル出身で、シャオミのグローバル事業を統括するヒューゴ・バーラ氏はロイターとのインタビューで、「ブラジルは、我々のラテンアメリカ進出における第1段階」と述べ、今後メキシコやコロンビアなどの中南米諸国にも進出する意向があることを示唆した。
ブラジルのスマホ事情
シャオミはこれまで同様、ブラジルでも低価格戦略でスマートフォンを販売する計画だ。ただし、ブラジルでは低価格を維持するのが難しいと指摘されている。
というのも同国では、エネルギーコスト、物流コスト、賃金などが高く、スマートフォンが割高で売られているからだ。例えば米アップルの「iPhone 6」のSIMフリー版は米国では650ドルからだが、ブラジルでは1130ドルからとなる。
中国レノボ・グループ(聯想集団)傘下のモトローラ・モビリティ製「Moto G」といった低価格端末もブラジル価格は米国価格の4割増し。その一方で同国の平均世帯所得は米国よりもはるかに低い。このため、いかにして価格を抑えられるかが成功のカギを握ると言われている。
シャオミはブラジルで低価格モデル「Redmi(紅米)2」のインターネット販売をまもなく始めるが、その価格は499ブラジルレアル(160ドル)と、インド価格の6999ルピー(110ドル)よりも高くなる。
それでも、アップルやサムスン製品の半額以下であることから、インドなどと同様、ブラジルでも消費者に受け入れられるとシャオミは期待している。