タイ、軍政プロパガンダ動画にヒトラー

タイの国防体制は中国に取り込まれてしまうのか? バンコクで行われたプミポン・アドゥンヤデート国王の誕生日を記念した式典で行進する士官候補生(2014年12月5日撮影、資料写真)。(c)AFP/Nicolas ASFOURI〔AFPBB News

 先週、タイ国防当局の調達委員会が、中華人民共和国から3隻の潜水艦を購入することを決定した。このニュースはアメリカ国防当局、ホワイトハウスならびに連邦議会に衝撃を与えている。

 2013年に発生したタイでの軍事クーデター以降、オバマ政権はタイ政府に対して、人権抑圧を理由として政治的・軍事的に「あまりにも冷たい態度」をとっていた。そのことに懸念を表していたアメリカ軍関係戦略家たちは、このようなオバマ政権の対タイ政策の失策を嘆いている。

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 永きにわたって潜水艦を保有してこなかった王立タイ海軍にとって潜水艦の保有は悲願であり続けた。しかしながら、タイには自国で潜水艦を建造する能力はないし、外国から調達するにしても極めて高価であるため、なかなか潜水艦調達予算を捻出するには至らなかった。

 ところが、数年前から、中国による南シナ海やインド洋拡張戦略に対応する形で東南アジア、南アジア諸国海軍では、潜水艦の調達に向けての機運が高まってきた。そのような周辺諸国の動きに対応し、2011年、王立タイ海軍はドイツから6隻の小型潜水艦を77億バーツで購入する計画を建てた。しかし、時のインラック政権によって計画は承認されなかった。