瀬戸内海の風景。日本は歴史的に、海洋よりも、瀬戸内海のような「湖」で軍事力を運用してきた(写真はイメージ)

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 日本が「海洋国家」ではないのだとすれば、どのような存在なのでしょうか。歴史的に考えれば、「海洋国家(シーパワー)」と「大陸国家(ランドパワー)」の双方の性格を限定的に保有する「レイクパワー国家」と位置付けるべきでしょう。

 レイクパワー国家の定義は以下の3つのものとします。

 第1に、軍事力の運用は、「レイク(湖)」内部において、陸上戦力を中心とする湖上輸送を中心に展開されます。日本の場合、「湖」とは歴史的に「瀬戸内海」「琵琶湖」「日本海」「東シナ海」です。現代的な意味では「北極海」や「南シナ海」もここに加わるでしょう。

 第2に、基本的に陸地内部の政治が優先され、明確な対外・海洋政策はほとんど存在しません。

 第3に、保有するシーパワーは基本的に「湖」内部の輸送のためであり、戦闘や外海での行動には向きません。故に、海洋国家の庇護、または提携によってのみ外海に展開することができます。