先週の米国株式市場
―買い材料に欠けるなか売りに押される―


<先週の概況>

先週の米国株式市場はダウ平均が週間で400ドルを超える下落となるなど、主要3指数が揃って反落しました。

米国株はドル高による企業収益の悪化懸念のくすぶりに加えてPER等の株価指標もやや割高感があり積極的な買い材料に欠けるなか、25日に発表された2月の耐久財受注が市場予想に反して前月から減少するなど、冴えない経済指標の発表もあって売りに押されました。


米国株式市場バリュエーション




業種別リターン



ダウ平均採用銘柄 週間騰落率ランキング



<上昇>

ダウ平均採用の30銘柄中、週間で上昇したのはインテル(INTC)とファイザー(PFE)の2銘柄にとどまりました。インテルは半導体メーカーのアルテラ(ALTR)の買収に向け交渉を進めていると報じられたことで上昇しました。

<下落>

幅広い銘柄が売られる中、シスコシステムズ(CSCO)やマイクロソフト(MSFT)といったハイテク関連銘柄の下落が目立ちました。また、アメリカン・エキスプレス(AXP)やJPモルガン(JPM)、ビザ(V)など金融株も軟調でした。

先週発表された主な経済指標

消費者物価指数(CPIコア)
前月比2月 +0.2% 市場予想 +0.1% 前月 +0.2%
前年同月比2月 +1.7% 市場予想 +1.7% 前月 +1.6%

24日に発表された2月の消費者物価指数(CPIコア)は、前月比が+0.2%と市場予想を上回った一方で、前年同月比は1.7%の上昇と市場予想と一致しました。

前月比が市場予想を上回ったことで、外国為替市場はややドル高の反応を見せました。


今後発表される主な経済指標

4月3日 3月 非農業部門雇用者数 市場予想 +24.8万人 前月 +29.5万人
          失業率 市場予想 5.5% 前月 5.5%

4月3日に3月の雇用統計が発表されます。最も市場の注目度の高い非農業部門雇用者数は前月から24.8万人増と堅調な増加が見込まれています。失業率は前月と同じ5.5%トと予測されています。

労働市場が引き続き強い状態であると確認されれば、足元で交代している6月利上げ早観測が再び強まる可能性も残されています。

なお、雇用統計の発表日である4月3日は聖金曜日のため米国株式市場は休場です。


マーケットビュー
―やや売られ過ぎ感ある米国株 今週は反転を期待―

先週のマーケットビューではファンダメンタルズが冴えない中で判断が難しい局面ながらも、米国株の出遅れ感は強いことから、一段高が見込めるのではないかと記しましたが、結果的に先週米国株は反落となりました。筆者の想定以上にマーケットはドル高による企業収益の鈍化や冴えないファンダメンタルズを嫌気したものと考えられます。

今週は雇用統計以外にカンファレンスボード消費者信頼感指数、個人消費支出、ISM景況感指数、新車販売台数など重要な経済指標が続々と発表されます。これらの指標の発表内容次第でマーケットの方向感が決まっていくことになりそうですが、これらの指数が軒並み悪化といったネガティブサプライズにならなければ、米国株はいったん反発の可能性があると見ています。

グラフに示したのはダウ平均と筆者が独自に計算したS&P500の騰落レシオの推移ですが、足元で騰落レシオは85%とやや売られ過ぎ感のある水準まで低下しており、昨年はこの水準を大底として何度か反発しました。

ファンダメンタルズの冴えない状況からダウ平均やS&P500に史上最高値を更新するような力強さがあるとは考えにくい状況ですが、一方で1万8000ドル付近までの短期的な反発は見込んで良いのではないかと考えています。



フィナンシャル・インテリジェンス部 益嶋 裕

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