ドライフルーツ。もとは貯蔵目的で乾燥させたもの。生の果物とは風味も食感も異なる

 果物普及啓発協議会が2010年に発表した「『くだもの』の消費に関するアンケート調査報告書」によると、1年前と比較して、ドライフルーツを食べる回数が「減った」あるいは「ほとんど食べなくなった」と回答した人は、合計で約27パーセントに上った。その一方で、およそ12パーセントの人が、今後のドライフルーツの摂取を「増やしたい」と答えている。

 果物のある食生活推進全国協議会では、果物を毎日の食生活に欠かせない品目として定着させるため、1人1日200グラム以上の果物の摂取を勧める「毎日くだもの200グラム運動」を推進している。

 しかし、新鮮な果物を毎日摂り続けるのは、実際としてはかなりの工夫が必要だ。果物は食べるために皮をむいたり、種を除いたりする必要があるなど、確かに手間がかかる食品でもある。

 そこでドライフルーツに注目したい。栄養成分の多くはそのままで、しかも携帯性に優れている食品で、職場などでも簡単に摂ることができる。今回は、ドライフルーツに焦点を当ててみる。効率的な果物摂取の一助にしてほしい。

紀元前4000年から続く保存食

 私たちがよく使う「ドライフルーツ」という言葉は和製英語。英語圏では "dried fruit" が正しい呼び方だ。言葉どおり、「乾燥させた果物」のこと。サツマイモやレンコンなどの野菜を乾燥させたもの、ナッツなど種子の類もドライフルーツと呼ばれることがある。