本記事は1月5日付フィスコ企業調査レポート(コンドーテック)を転載したものです。
執筆 客員アナリスト 
佐藤 譲
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2015年3月期通期の累計業績は4期連続で過去最高業績に挑戦中

 コンドーテック<7438>は社会活動に欠かせないインフラ・環境関連資材を供給している。具体的には、ターンバックルやブレース等の産業・鉄構資材の製造・仕入販売、並びに電設資材の仕入販売を手掛けている。5万点を超える豊富な商品ラインナップと地域密着型の即納体制が強み。幅広い業界に販売しているため、特定業界の好不況の波を受けにくく、安定性の高い収益基盤を確立している。

 2015年3月期第2四半期累計の連結業績は売上高が前年同期比7.1%増、営業利益が同12.9%増と期末には4期連続で過去最高を更新する勢いである。消費増税の反動減による住宅市場の落ち込みで電設資材が減収となったものの、建設業界を中心に主力の産業資材、鉄構資材の売上高が好調に推移した。

 2015年3月期の連結業績は売上高が前期比2.1%増、営業利益が同2.3%増と期初計画を据え置いている。ただ、第2四半期までの進捗率が売上高で48.4%、営業利益で49.5%と過去5年平均(売上高47.6%、営業利益43.0%)を上回っており、また、足元の需要も引き続き堅調に推移していることから、上振れする可能性があると弊社ではみている。

 同社は新たな経営目標として売上高1,000億円を目標として掲げた。新規顧客の開拓・新商材開発・海外事業の拡大といった従来の成長戦略に、新たにM&A戦略を加えることで2020年頃をめどに目標の達成を目指していく。M&Aの対象としては隣接する業界や既存事業での深掘をしていくうえで効果的と思われる企業、あるいはeコマースなど新たな販売チャネルを拡大していくうえで、そのノウハウを持つ企業などが想定される。また、目標達成時の営業利益率は8%程度の水準を見込んでいる(前期実績は6.8%)。

 業績が成長軌道に入っていることから、株主還元の拡充も図っている。2015年3月期の配当を期初計画の15.5円から20.0円に増配したほか、新たに株主優待制度を導入した。保有株数に応じて3月末の株主を対象に、お米券を年1回贈呈する。

Check Point

●売上高、利益ともに期初計画を上回り期末には4期連続で過去最高業績に挑戦中
●M&A戦略が今後の新たな成長戦略に
●今期より配当金に加えて株主優待制度を導入

会社概要

事業規模の拡大に合わせて人員体制も強化

(1)事業概要

 コンドーテックは社会活動に欠かせないインフラ・環境関連資材を、建設業界を中心に物流、船舶、鉄道、環境分野など幅広い業界向けに販売している。売上高構成比では建設業界向けが約80%、その他業界向けが約20%となり、また、民需と官公需で分けると民需向けが約75%、官公需向けが約25%となっている。