2011年頃から、ITを利用して社会インフラ、街づくりを“高度化”する「スマートシティ」が叫ばれ、世界中でブームとなった。
分散電源と、それに対応した家電や住宅設備による環境負荷の軽減、自動車や人の流れの最適化、水害や犯罪への地図情報システムや管制センターなどの未来図が示され、多くの企業や国が、これらのコンセプトに基づいて都市計画を検討し、取り組みを進めてきた。
国内を見ても、千葉県・柏の葉、神奈川県・横浜や藤沢の実証実験や取り組みが本格化している。近年ではあえて「スマートシティ」を冠することは少なくなっているが、実態としてスマートシティと呼べる都市計画や地域開発が、国内だけでも30カ所超で進められている。
その意味で、スマートシティはもはやブームではなく、現実のビジネスとして地に足の付いた取り組みの段階に到達している。
反面、日本企業の競争力を世界に示すという、もう1つの目的はいまだ道半ばである。今後はこの取り組みにも力を入れる必要があるだろう。