マット安川 年始め、新春スペシャルとして自民党衆議・平沢勝栄さんをお迎えして、2015年の政界展望はじめ、外交、経済、憲法改正など、詳しくお聞きしました。

政権を奪うのが野党の役目、解散・選挙批判は噴飯もの

平沢 勝栄(ひらさわ・かつえい)氏
衆議院議員(自民党中央政治大学院学院長) テレビ・ラジオにも多数出演。葛飾区 柴又在住。『もう黙っていられない!』(徳間書店刊)『政治家は楽な商売じゃない』(集英社刊)『拉致問題』(PHP研究所刊)など著書多数。(撮影:前田せいめい、以下同)

平沢 昨年12月の衆院選挙は、投票率の低さに象徴されるように盛り上がらなかったのは、ひと言でいえば野党が不甲斐なかった、だらしなかったということです。

 相撲で言えば、自民党に対して、野党は四つに組んで戦おうという気概があまり感じられなかった。ですから有権者の関心がぐんと下がった。つまり今回の選挙は自民党が勝ったのではなくて、野党が負けたということだと言えます。

 その中で共産党が議席を伸ばしたのは、底力があったわけではなく、自民党以外にしっかりした野党がなかったから、反対の一部の票が流れただけです。反自民の票をどこに入れるかという時に、ほかに選択肢がなかった。

 国民のみなさんも共産党が政権を取ることはないと分かっているから共産党に入れたわけでしょう。共産党は「たしかな野党」などと言っていますけど、たしかな野党ではなくて、政権を取りにいく野党にならなければいけないと思いますね。

 今回の解散については、野党から多くの批判を受けました。国民のみなさんの中にもそういう声がありました。ただ、解散は総理の専権事項ですし、政権発足から2年経っています。そもそも戦後23回総選挙が行われた中で、4年の任期満了までいったのは三木武夫内閣(1976年)の1回しかないんです。平均2年10カ月くらいです。

 昨年9月にあるテレビ番組で民主党の枝野(幸男)幹事長と一緒になりまして、その時に枝野さんは11月に解散があると思うので自分たちは準備しているとはっきり言われた。ところが実際に解散が行われたら、ケシカランと言う。確かに選挙は12月で時期が少しズレましたけど、枝野さんが解散を批判するのはおかしい。

 だいたい野党というのは、選挙を1日でも早くやってくれと言うものです。早く政権を取って、自分たちの政策を実現したいというのが野党です。ところが選挙を早くやりますと言ったら、ケシカラン、ケシカランと騒ぐ。そんな野党は初めて見ました。噴飯ものというか、喜劇というか、信じられないですね。

景気回復は道半ば、消費税増税の先送りは正しい選択

 今回の選挙では、野党からアベノミクスは失敗だという攻撃をずいぶん受けました。確かに昨年4月に消費税率が上がって経済が落ち込みました。消費、設備投資も落ち込んで、景気が停滞したのは事実です。

 デフレから脱却している途中に増税したのが大きく影響したと思います。やはり3%上げるというのはたいへんなことなんです。その駆け込み需要の反動が大きく出た。