米ガートナーが12月15日までにまとめた携帯電話の販売統計調査によると、今年7~9月期の世界販売台数は4億5580万台で、1年前からほぼ横ばいだった。

 スマートフォンは同20.3%増と堅調に伸びたものの、フィーチャーフォン(従来型多機能携帯電話)が同25%減少した。これはOSにアンドロイド(Android)を搭載する低価格スマートフォンとフィーチャーフォンの価格差が縮まったためだという。

 この7~9月期は携帯電話の全販売台数に占めるスマートフォンの比率が66%となったが、2018年にはこの比率が90%にまで上昇するとガートナーは見ている。

サムスンは19.6%減、ノキアは31.5%減

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サムスン電子はシェアトップだが、販売台数は約2割減った〔AFPBB News

 7~9月期のメーカー別販売台数を見ると、最も多かったのは韓国サムスン電子の9402万台。これに次いだのが米マイクロソフト傘下のノキアで4313万台。このあと、米アップルの3819万台、韓国LGエレクトロニクスの1898万台、中国ファーウェイ(華為技術)の1632万台と続いた。

 このうちサムスンの販売台数は、1年前から19.6%減少した。同社はフィーチャーフォンとスマートフォンのいずれもで台数を減らし、両市場でシェアが低下した。ガートナーによると、サムスンのフィーチャーフォンの販売台数は10.8%減少している。またサムスン製スマートフォンに対する需要は西欧とアジアで低下している。とりわけ同社の最大市場である中国では28.6%減と、落ち込みが激しい。

 また2位のノキアも同31.5%減と、2桁の落ち込みだった。これに対し3位のアップルは同26%増。1年前は約3300万台あったアップルとノキアの差は、この7~9月期に約500万台に縮まった。

 アップルは9月19日に同社初の大型スマートフォン「iPhone 6」「同6 Plus」を発売したが、これがアンドロイド端末の勢いを抑えたという。この2モデルは発売当初から需要が供給を上回っており、10~12月期は過去最大の販売台数を記録するとガートナーは予測している。

スマホでは中国メーカー3社がトップ5入り

 一方、スマートフォンのメーカー別販売台数を見ると、サムスンとアップルがそれぞれ1位、2位を維持した。このあとファーウェイ、シャオミ(小米科技=Xiaomi)、レノボ・グループ(聯想集団)と続き、上位5社に中国メーカーが3社入った。

 このうちサムスンのスマートフォン販売台数は7321万台で、前年同期比8.8%減。アップルは前述のとおり同26%増の3819万台。

 3位以降のファーウェイ、シャオミ、レノボは、それぞれ1500万台という水準で、その差は100万台以下と拮抗している。いずれの販売台数もアップルの半数以下にとどまっているが、3社を合わせると台数、シェアともにアップルを上回る。