9月13日の土曜日、東京都港区三田の慶應義塾大学で「福澤文明塾」という催しに登壇させていただきました。田村次朗さんがコーディネートされ、パネリストとして鈴木寛氏と私がお声がけいただきました。
「リーダーシップ」と「教養」をテーマにお話しすることになっていたのですが、直前まであれこれ忙しく、内容は本当に直前になって考えました。関係者の皆さんにはいろいろとご迷惑をおかけしました。
ただ、鈴木寛さんと一緒のときはたいてい打ち合わせはせずに、話題が面白い形で進んでいくことが多いので、確信犯でそうしていた面もあります。結果は今回もそのようになったと思います。
私学だからできる柔軟性
例えば、三田まで移動しながら・・・道すがら、会場が旧知の「三田・北館ホール」だと知ったので「ダメ元でお伺いしますが、舞台下手袖のドアの中にピアノがあるはずなので、3メートル動かすだけで使えますから、使わせてもらえませんか」とメールしました。
何と迷惑な登壇者でしょう。
実はこのホールは昨秋、ヴァーグナーの楽劇「トリスタンとイゾルデ」を小編成伴奏、しかし全曲ノーカット上演は日本で最初とのことでしたが、トリスタンをはじめ演奏で何回も使わせていただいたので、どこに何があるか分かっており、それなら、と考えたわけです。
ピアノがあれば、まあほんの少しですがピアノを弾いた方がお客さんは喜んでくれますので、そういう方向で内容を考えました。
で、果たして到着してみると、すでに会場入りしていたスタッフの皆さんは当然ながらそんな15分前のメールなんか見ていないわけです。しかし、
「ピアノですか。分かりました」
と二つ返事でご快諾、移動などご協力いただき、1分半ほどで設営が完了しました。