本記事は8月4日付フィスコ企業調査レポート(ヒマラヤ)を転載したものです。
執筆 客員アナリスト 佐藤 譲
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中計目標達成へ出店拡大と収益性強化を推進
ヒマラヤ<7514>は、一般スポーツ、ゴルフ用品の小売チェーンで業界4位。中期経営ビジョンである「売上高『スポーツ業界トップ3』へ」を達成するべく、関東以西の中小規模商圏をターゲットに出店を拡大中。首都圏で展開する子会社のビーアンドディー(以下B&D)も、東京オリンピック開催に向けてスポーツ用品市場の拡大が見込まれるなか、今後は出店攻勢をかけていく予定。
6月27日付で発表された2014年8月期第3四半期累計(2013年9月-2014年5月)の連結業績は、売上高が前年同期比6.3%増、経常利益が同26.1%減と増収減益決算となった。新規出店効果と積極的な販促施策の実施により売上高は順調に拡大したものの、天候要因などによる衣料商品の値下げが減益要因となった。
2014年8月期通期の業績は、売上高が前期比6.0%増、経常利益が同8.6%増と期初計画を据え置いている。経常利益は第3四半期までで会社計画に対して400百万円程度下回っているが、第4四半期に売上高の一段の拡大と総利益率の改善、経費の削減を進めることで、期初計画の達成を目指していく考えであり、増益基調を継続する可能性はあると弊社ではみている。
健康志向の高まりや2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が決まったことなどで、今後もスポーツ用品市場は堅調な推移が見込まれる。同社ではB&Dも含めた積極的な出店と収益性強化を進めながら、2016年8月期に連結売上高78,000百万円、経常利益3,800百万円の達成を目指していく方針だ。
Check Point
●新規出店やワールドカップ効果等で増収基調を継続
●売上拡大と総利益率改善、費用削減で通期計画の達成目指す
●消費増税の影響は相対的に小さめ、今後の収益性向上に注目
会社概要
スポーツ用品大手、ドミナント出店で地域シェアNo.1目指す戦略
ヒマラヤは岐阜県に本社を置くスポーツ用品の小売チェーン店で、売上高は業界第4位。出店エリアは関東以西の中小規模商圏(人口10~15万人)をターゲットとしており、ドミナント戦略による地域シェアNo.1を目指している。店舗の大きさは300~600坪を目安としており、特に岡山県、山口県、長崎県などでは県内販売シェアが20%以上と高シェアを占めている。ヒマラヤの店舗数は2014年5月末時点で113店舗。
また、2011年7月に子会社化したB&Dは、首都圏における主要駅前で100~200坪の小型店舗を展開している。学校のクラブ活動などで使用するスポーツ用品の品揃えが豊富で店員の専門知識も高いことから、学生のなかで高いブランド力を有している。店舗数は2014年5月末時点で33店舗。
都道府県別の連結売上高構成比(2013年8月期実績)で見ると、上位は岐阜県、東京都、山口県、愛知県、岡山県の順となっており、これら5都県で全体の約36%を占めている。