オンラインでホテルを予約したのは、2カ月以上も前のことだ。出発が近づいてきたので、道順や所要時間を確認しようと思い、グーグルマップに目的地を入れた。すると、地図上の目的の地点に、「○月○日から○○ホテルに2泊」という表示が出た。一瞬、「え? なぜ知ってるの?」と唖然。私の行動予定をグーグルが把握している。

 そういえば、パソコンを使っていてアレッと思うことは、割としょっちゅうある。例えば、冷蔵庫が必要になってネットで探すと、そのあと、ネットサーフィンの最中に続々と冷蔵庫の広告が入る。そして、冷蔵庫の購入後は、広告は来なくなる。頭の中を覗かれたような気分だ。

各種のカードから流れ出す個人の生活情報

グーグル「忘れられる権利」要請7万件超、大手メディアにも影響

インターネット上での「忘れられる権利」を認める判決を受け、米検索大手グーグル(Google)が欧州の利用者を対象に5月30日に受け付けを始めた個人情報の削除要請が、7万件を超えたことが7月3日、分かった〔AFPBB News

 前述のグーグルマップのことを長女に話したら、彼女は、「グーグルは何でも知ってるのよ」といともあっさりと言った。そういえば彼女は、生活情報が筒抜けになることを嫌って、各種のポイントカードも一切使わない。

 それに比べて私ときたら、あちらのポイントカード、こちらのメンバーズカード、そして、何の役に立つのかも分からないようなカードまで、お財布の中にどっさりある。

 ただ、その私も、クレジットカードだけはほとんど使わなくなった。以前、ソウルで乗り継ぎをしたときにカードを空港で使ったら、その直後、2件の不正使用が見つかり、嫌気が差したからだ。いちいち明細を見て、本当に使ったかどうかを確かめるのは、この上なく面倒くさい。忘れてしまっているものもある。

 当時、なぜ不正を発見できたかというと、私が、行ってもいないイギリスで買い物をしたことになっていたからだ。これが日本やドイツの店だったなら、見逃していただろう。見逃しても不思議でないほどの、ちょうどいい金額でもあった。それ以来、こんな面倒なものはいらない!と思い、ほとんど使わない。4枚あったのも1枚にした。

 しかし、たとえクレジットカードを駆逐しても、他のカードを使えば情報はどんどん漏れる。ポイントカードというのは、ポイントがたまるお店が多いカードほど、便利で得をしたような気分になるが、これが曲者。